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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻8号

2002年08月発行

研究と報告

汚染に関する強迫観念の内容を分類基準とした汚染/洗浄強迫の均質性に関する検討

著者: 松永寿人1 松井徳造1 大矢健造1 越宗佳世1 切池信夫1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学教室

ページ範囲:P.885 - P.892

文献概要

【抄録】 Obsessive-Compulsive Disorder(OCD)の汚染/洗浄強迫の均質性を検討するため,初診時洗浄行為を有したOCD患者90例を対象に,最も洗浄行為に関連する恐怖刺激や心配の内容を,Yale-Brown Obsessive-Compulsive Scaleの症状評価リストの「汚染に関する強迫観念」の下位項目に従い評価した。そして出現頻度が上位であった汚れやばい菌の心配(28例),排泄物への嫌悪(22例),病気の心配(16例)の3群を比較した。
 病気の心配群は他群に比し,汚染自体の感じ方よりも結果を心配する割合が有意に高率で,不安惹起の認知的プロセスに相違を認めた。しかし患者背景や心理テスト結果,1年後の治療反応性などで発症年齢以外の有意な群間差はなく,この分類法を用いた場合,汚染/洗浄強迫の高度の均質性がうかがわれた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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