icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻9号

2002年09月発行

文献概要

研究と報告

ニコチン置換療法とparoxetine併用が有効であったニコチン依存症の1症例

著者: 伊藤敬雄12 山寺博史1 工藤吉尚1 遠藤俊吉3

所属機関: 1日本医科大学付属多摩永山病院精神神経科 2小平駅前クリニック 3日本医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.949 - P.955

文献購入ページに移動
【抄録】 従来型の禁煙方法やニコチン置換療法で禁煙に失敗したが,ニコチン置換療法にparoxetineを併用して長期の禁煙に成功したニコチン依存症例を経験したので報告する。症例は42歳,男性。禁煙成功の理由として,paroxetineがニコチン依存症に対して直接的に作用したのか,もしくは退薬症状に奏効したことでニコチン置換療法を円滑に進めることができたのか検討が必要である。しかし本研究からparoxetineはニコチン依存症,もしくはその退薬症状に有効であること,また禁煙継続における精神的安定の保持にも有効であることが示唆された。よって,SSRIの臨床適応にニコチン依存症も含まれる可能性が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?