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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻9号

2002年09月発行

文献概要

研究と報告

眼球運動検査が早期診断に有効で,trazodoneによって前頭葉機能か改善した進行性核上性麻痺の1症例

著者: 泉剛1 鈴木康夫2 新明康弘3 福島順子4 福田明香15 千葉泰二6 寺江聡7 志賀哲8 小山司1

所属機関: 1北海道大学医学部附属病院精神科神経科 2札幌医科大学医学部眼科学講座 3北海道大学医学部附属病院眼科 4北海道大学医療技術短期大学部 5札幌児童相談所 6医療法人社団千寿会三愛病院 7北海道大学大学院医学研究科高次診断治療学専攻病態情報学講座放射線医学 8北海道大学医学部核医学講座

ページ範囲:P.961 - P.968

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【抄録】 42歳発症の進行性核上性麻痺の1症例について報告する。発動性低下,周囲に対する無関心,階段の下降時に転倒しやすい,などの症状で発症し,頚部筋強剛,姿勢反射障害および前頭葉徴候を認めた。眼球運動検査で眼振と眼球運動障害を認め,心理検査ではWisconsin Card Sorting Testがほとんど遂行できず,Kohs立方体検査で前頭葉障害に特徴的なタイプの誤りを示した。5-HT2A/2C受容体阻害作用を有する抗うつ薬であるtrazodoneの投与によって発動性低下や無関心が軽減し,Kohs立方体検査の成績も向上するなど前頭葉機能の改善を認めたが,神経症状はしだいに進行した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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