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文献詳細

雑誌文献

精神医学44巻9号

2002年09月発行

文献概要

研究と報告

難治性うつ病に対する維持目的電気けいれん療法の試みと認知機能障害について

著者: 西山聡1 岩本泰行1 米澤治文1 世木田久美1 大田垣洋子1 大森寛2

所属機関: 1県立広島病院精神神経科 2現,国立病院呉医療センター精神科

ページ範囲:P.985 - P.991

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【抄録】 電気けいれん療法(electroconvulsive therapy;ECT)は難治性うつ病に有効とされるが急性期治療の高い治療効果にもかかわらず,ECT単独では維持効果が期待し難く再燃することが多い。最近では寛解維持目的でのECTの報告も散見されるが認知機能障害が問題となることも多く,施行には慎重を要する。我々は薬物抵抗性で,有害反応も生じやすい難治性うつ病患者4例に対して症状改善後,再燃防止のため約6か月間修正型維持目的ECT(modified continuation ECT;m-ECT-C)を行い,さらにm-ECT-C施行期間の認知機能についてMini-Mental State Examination(MMSE)や近時記憶,遠隔記憶の評価を行った。m-ECT-Cにて寛解維持された症例は2例であり,期間としては約1年間施行することが必要と考えられた。m-ECT-Cによる認知機能障害は認められず安全性が高いと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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