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短報
Olanzapine投与により抑うつ状態と認知機能障害が改善した脳血管性痴呆の1例
著者: 山本健治1 原田研一1
所属機関: 1名寄市立総合病院神経精神科
ページ範囲:P.1020 - P.1022
文献購入ページに移動はじめに
新規非定型抗精神病薬であるolanzapineは,ドーパミンD1,D2,セロトニン5-HT2A,5-HT2C,5-HT6などの多くの受容体にほぼ同等の親和性を示すという薬理学的特性を有している。その結果,精神分裂病の陽性症状のみならず,陰性症状,認知機能障害にも有効であり,かつ有害事象発現頻度も低いとされている。このことから,olanzapineは今後の精神分裂病薬物治療の中核として期待されるが,加えて精神分裂病以外への適応の拡大も検討されている。今回,我々は,抗うつ薬治療に反応しなかった抑うつ状態と認知機能障害が,olanzapine投与により速やかに改善した脳血管性痴呆の1症例を経験したので報告する。
新規非定型抗精神病薬であるolanzapineは,ドーパミンD1,D2,セロトニン5-HT2A,5-HT2C,5-HT6などの多くの受容体にほぼ同等の親和性を示すという薬理学的特性を有している。その結果,精神分裂病の陽性症状のみならず,陰性症状,認知機能障害にも有効であり,かつ有害事象発現頻度も低いとされている。このことから,olanzapineは今後の精神分裂病薬物治療の中核として期待されるが,加えて精神分裂病以外への適応の拡大も検討されている。今回,我々は,抗うつ薬治療に反応しなかった抑うつ状態と認知機能障害が,olanzapine投与により速やかに改善した脳血管性痴呆の1症例を経験したので報告する。
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