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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻1号

2003年01月発行

研究と報告

Frontotemporal dementia and parkinsonism linked to chromosome17(FTDP-17)の兄弟例

著者: 木谷知一1 小林克治1 林眞弘2 長澤達也1 宮津健次1 氏家寛3 勝川和彦4 黒田重利3 越野好文1

所属機関: 1金沢大学医学部大学院脳情報病態学 2国立療養所北陸病院 3岡山大学大学院医歯学総合研究科精神神経病態学 4石川県立高松病院

ページ範囲:P.31 - P.35

文献概要

抄録

 FTDP-17の兄弟例を報告した。兄例は34歳の若年発症。易怒性,脱抑制で発症し,次第に発動性が低下した。痴呆は高度となり,46歳で死亡。全経過12年。剖検にて前頭葉側頭葉の萎縮が高度であり,病理学的検索で,Pick嗜銀球を認めPick病と診断された。弟例は40歳にて発症。自発性の低下などの人格変化が目立ち,MRI上側頭葉先端部に強い萎縮を認め,遺伝子解析の結果S305Nの部位でタウ蛋白遺伝子のmissense変異を認めた。弟例は現在も無為,無関心が強い臨床像を示す。本邦ではS305N変異の2家系目のFTDP-17である。Iijimaらの報告症例と比較して,臨床症状,萎縮部位に違いがみられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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