文献詳細
研究と報告
Olanzapineにより知覚変容発作を来した統合失調症の1症例
著者: 原田貴史1 友竹正人1 大森哲郎1
所属機関: 1徳島大学医学部精神科
ページ範囲:P.65 - P.68
文献概要
症例は,16歳の男性。被害妄想,精神運動興奮,自閉的な生活を認め,当科を受診。sulpiride300mg/日で治療開始したが効果不十分であり,olanzapine(10mg/日)に置換し,20mg/日に増量した。その約3週間後より,「机の角がハッキリ見えて迫ってきて,恐ろしくなる。」と訴える知覚変容発作を認めた。biperiden頓用が有効であった。olanzapineを減量した後,この発作はいったん消失したが,精神症状が悪化し,再度増量したところ,再び出現した。biperidenを定期薬に追加し発作は生じなくなった。知覚変容発作は,非定型抗精神病薬使用中にも起こることに注意すべきであると考えられた。
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