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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻10号

2003年10月発行

文献概要

特集 新医師臨床研修制度における精神科研修はどうあるべきか

意義のある卒後精神科研修システムの構築を目指して

著者: 千葉茂1

所属機関: 1旭川医科大学医学部精神医学講座

ページ範囲:P.1029 - P.1032

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はじめに-新しい卒後臨床研修に至るまでの歩み

 わが国では,1968年に医学部卒後1年間のインターン制度が廃止されて以来,卒業後の臨床研修は各医師の自由な選択と努力に委ねられてきた。その結果,多くの医師はストレートに各講座・診療科に所属し,専門医の道を歩んできた。このことは,医療の高度化,先端化には貢献したが,一方では,社会の複雑化,多様化に応じた全人的医療,特にプライマリ・ケアの能力不足を生み出すことになった。

 そこで,1994年から,厚生労働省,文部科学省,国立大学医学部附属病院長会議,医師会などが新たな卒後臨床研修制度を確立するための検討に入り,2000年には,厚生労働省は研修医の卒後研修必修化法案を国会に提出し,これが同年11月に成立した。

 一方,1999年11月14日に精神科七者懇談会に卒後研修問題委員会が発足し,2002年4月18日に,慎重な議論の上で作成された「卒後臨床研修における精神医学教育に関する要望書」を関連する省庁や団体に送付している。そして,2004年春から新たな卒後臨床研修制度が実施されることになった2)。なお,研修医への精神医学教育が重要である理由については,すでに詳しく論じられている1,3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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