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特集 新医師臨床研修制度における精神科研修はどうあるべきか
精神科研修で何を学ぶのか:ローテート研修システムの経験から
著者: 河西千秋1 山田芳輝12
所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学 2横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター精神医療センター
ページ範囲:P.1043 - P.1046
文献購入ページに移動2004年春から新臨床研修制度が実施され,必修科としての精神科臨床研修が始まる。今回の必修化ですべての研修医がプライマリ・ケアとしての精神医学を学ぶ機会を得たことは画期的なことであるが,精神科は,研修医が「病と人をトータルに診る」の雛形を育むのにはうってつけの科である。精神医学では病者に対する共感とコミュニケーションがまず基本であり,病を抱えた人とその周囲全体を診ていくことが精神科医の日々の生業である。精神医療はチーム医療なしに成り立たず,また治療は地域へと展開していく。
筆者らの所属する横浜市立大学では,これまで35年間にわたってローテート研修が行われており,当精神医学教室では精神科志望のいかんにかかわらず多くの研修医を受け入れてきた1)。本論では,当科のこれまでの経験を例に挙げて,今後の精神科臨床研修における課題を論じてみたい。
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