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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻10号

2003年10月発行

文献概要

特集 新医師臨床研修制度における精神科研修はどうあるべきか

民間精神科病院と精神科卒後研修

著者: 松原三郎1

所属機関: 1松原愛育会松原病院

ページ範囲:P.1071 - P.1074

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はじめに

 2004年度からスタートする新医師臨床研修制度の中で,精神科が初期研修科目として位置づけられた。この臨床研修制度は,2002年9月に厚生労働省が示した「新たな医師臨床研修制度の在り方」の中でも明らかなように,医療の多様化,医師の地域偏在,小児医療体制不備,医療事故の多発,さらには,著しい医療の専門分化などに歯止めをかけ,全人的な幅広い診療能力,すなわち,プライマリケアのできる一定水準以上の臨床医を育成しようとする厚生労働省の思惑が強く働いた結果であると言える。初期研修が各大学や各医局の都合で左右されることなく,国の責任においてなされようとしていることは,卒後研修の充実を図る観点からは歓迎すべき面もあるが,今後,ますます行政主導のもとで医療が管理されていくことへの危惧も感ずる。また,過去のインターン制度のような過ちを犯さないように,十分に研修体制や財政基盤について検討されるべきであることは論を待たない。

 新医師臨床研修制度導入の結果,専門的な精神科医を育成するための卒後研修は3年目以降から本格化することになる。3年目以降の研修をどのような形で行うかについては,行政主導ではなく,我々精神科医がイニシアチブをとって,真摯に検討を重ねていく必要がある。この点では,新医師臨床研修制度における精神科研修のあり方を検討していく中で,整理される部分が多いものと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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