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書評
―千葉茂,本間研一著―サーカディアンリズム睡眠障害の臨床
著者: 山内俊雄1
所属機関: 1埼玉医科大学神経精神科
ページ範囲:P.1126 - P.1126
文献購入ページに移動 1997年に行われた「健康づくりに関する意識調査」(体力づくり事業財団)によれば,睡眠薬を服用している人は,全国でおおよそ200万人,睡眠薬以外の方法で睡眠障害を治療しようとしている人を加えれば,睡眠の障害に悩んでいる人は672万人にも及ぶという。また,2002年に世界10か国で行われたアンケート調査でも,日本では成人のおおよそ5人に1人が睡眠の悩みを抱えているという。睡眠障害は医療にとっても重要な課題である。そんな中で,最近「夜眠れない」と訴える患者の診断や治療を夜の出来事としてだけとらえるのではなく,睡眠覚醒リズムという視点で考えるようになった。すなわち,睡眠をサーカディアンリズム(概日リズム)という,おおよそ24時間の周期の中で生ずる出来事と考えると,睡眠障害をよりよく理解できることが少なくないからである。
本書はこのような観点から,「サーカディアンリズム睡眠障害」の基礎と臨床について記述したものである。初めに,我々の生体リズムがどのようにして形づくられるのか,どのような因子によって動かされているのか,いくつかの生体リズムがどのようにして同調,非同調を起こすのかなど,睡眠の臨床を考える上で必要な基礎知識が「基礎編」として述べられている。
本書はこのような観点から,「サーカディアンリズム睡眠障害」の基礎と臨床について記述したものである。初めに,我々の生体リズムがどのようにして形づくられるのか,どのような因子によって動かされているのか,いくつかの生体リズムがどのようにして同調,非同調を起こすのかなど,睡眠の臨床を考える上で必要な基礎知識が「基礎編」として述べられている。
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