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書評
文献概要
日本における現代精神医学は,最近の向精神薬と脳生理学の急速な発達によって,生物学的精神医学の潮流が中心になっている状況が見られる。また,それに拍車をかけたのは,医療保険制度の矛盾など精神科医療体制の問題だけでなく,DSM-IVなどの簡便なチェック項目による操作的診断の普及であろう。
しかし,実際の臨床現場においては,精神病などの複雑な臨床症状を理解するためには基本的な精神病理学の素養が必要であるし,地域精神医療などの重層的な実践的理解をするための心理社会的指針が必要である。また各種パーソナリティ障害などの治療においては,無意識的内的世界の理解など,患者個人の固有の生活史に基づく力動的理解が必要不可欠なものである。
しかし,実際の臨床現場においては,精神病などの複雑な臨床症状を理解するためには基本的な精神病理学の素養が必要であるし,地域精神医療などの重層的な実践的理解をするための心理社会的指針が必要である。また各種パーソナリティ障害などの治療においては,無意識的内的世界の理解など,患者個人の固有の生活史に基づく力動的理解が必要不可欠なものである。
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