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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻11号

2003年11月発行

文献概要

特集 ICFと精神医学

ICFと精神症状

著者: 菅原道哉1

所属機関: 1東邦大学医学部精神神経医学教室

ページ範囲:P.1159 - P.1165

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はじめに

 1946年以来のWHOの健康の定義は「健康とは身体的,精神的,社会的に完全な安寧状態であり,単に疾患,病弱状態でないということではない」となっている。なんとなくわかり難い。各単語の意味内容よりも文章の構造にその原因がある。特に後段の文章は,健康を定義するにあたって不健康を否定するという構造になっている。さらに英語で見るとdis+ease(安寧の欠如)の否定ということである。「二重否定をとおして健康を定義するという複雑な過程である。消極的健康(negative health)からの健康の定義といわれている。一方,前段の安寧状態(well-being)は積極的健康(positive health)としての健康の定義である」1)健康は相対的事柄である。特殊な健康状態を求めることではなくより良い健康状態を目指すことが重要である。この考えを推進するのが健康推進(health promotion)の基本的思想である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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