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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻11号

2003年11月発行

特集 ICFと精神医学

ICFと統合失調症

著者: 山本佳子1 丹羽真一1

所属機関: 1福島県立医科大学神経精神医学

ページ範囲:P.1167 - P.1174

文献概要

はじめに

 ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)国際生活機能分類 は,1980年に作られたICIDH(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps)国際障害分類初版の改定版として2001年に発表された。

 ICIDH は,1つの方法論的な道具として,日本に導入され,精神障害のリハビリテーション分野に大きな影響を与えてきた。この「国際障害分類」とはどのような考えかについて,ICIDH時代の臺11)は,能力の障害を生活の障害に言い換えて,社会的不利は社会的障害と言い換えて,精神障害における障害の三つの側面を「機能障害・生活障害・社会障害」とすることを提案した。つまり,「『機能障害』は疾患そのものによる機能障害であり,『生活障害』は機能障害に基づく生活能力の低下,それに失敗や経験不足などによる影響が加わった生活の障害,『社会障害』は生活障害に伴って起こった社会障害である」と,解説されている。

 本稿では,ICIDHからICFへの流れの紹介と,統合失調症に見られる障害をICFによる障害分類に沿ってみた場合の構造的理解につき解説し,ICFの活用の仕方を,ある症例にICF評価を行った具体例により示し,ICFに対する今後への期待を述べた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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