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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻11号

2003年11月発行

文献概要

研究と報告

デイケア・作業所通所中の統合失調症患者のソーシャルサポート(第2報)―親のソーシャルサポートの評価

著者: 前田恵子1 畑哲信2 畑馨3 辻井和男4 浅井久栄4 柴田貴美子4 岩崎さやか4 瀬川聖美5 皆己純恵6 宮本珠妃7 吉本真紀7

所属機関: 1国立精神・神経センターACT-Jプロジェクト臨床チーム 2福島精神保健福祉センター 3福島県立医科大学神経精神医学講座 4東京大学医学部付属病院リハビリテーション部デイホスピタル 5共同作業所銀杏企画 6共同作業所銀杏企画Ⅱ 7共同作業所銀杏企画Ⅲ

ページ範囲:P.1195 - P.1203

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抄録

 デイケア・作業所通所中の統合失調症患者53名および健常者83名を対象として,ノーベックソーシャルサポート質問紙(NSSQ)を用いて,親から受けるソーシャルサポートを評価した。再テスト法により有意な信頼性が得られた(Spearman相関係数:r=0.61~0.84)。3つのNSSQ指標について全般的NSSQと親のNSSQの相関を求めたところ,患者群では3つの指標とも有意な相関が認められたが(r=0.53,r=0.43,r=0.40),健常群では1つの指標でのみ有意な相関が認められた(r=0.22)。親のNSSQ指標を従属変数,診断および性別を独立変数とした二元配置分散分析では,患者群<健常群の診断の効果が有意(p<0.01~0.0001)であった。性別の効果は有意ではなかった。患者群において親のNSSQ指標と精神症状との関連を検討したところ,BPRS合計点との間に弱い負の相関が認められた(r=0.29~0.33)。NSSQを用いた親のソーシャルサポート評価の信頼性,臨床的有用性について考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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