文献詳細
文献概要
研究と報告
うつ病患者の心気症状
著者: 賀古勇輝12 栗田紹子1 櫻井高太郎1 山中啓義1 山田淳13 嶋中昭二1 浅野裕1
所属機関: 1市立室蘭総合病院精神科神経科 2現,北海道大学大学院医学研究神経機能学講座精神医学分野 3現,友愛会恵愛病院
ページ範囲:P.1205 - P.1212
文献購入ページに移動うつ病患者において,心気症状を伴う症例とそれ以外の症例とを比較し,ハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton Rating Scale for Depression;HRSD)を用いて,主にその一年転帰について調査した。対象は,1998年4月から2000年3月までの2年間に当科外来を初診した患者の中で,ICD-10のF32うつ病エピソードのクライテリアを満たし,1年間治療継続された患者,または経過良好で治療終了した患者の計56例。心気群17例と非心気群39例に分け,初診時と調査終了時(1年後もしくは治療終了時)の状態をHRSDで評価した。心気群は非心気群と比較して一年転帰が不良であり,それは発症年齢60歳以上でより顕著であった。
掲載誌情報