icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻11号

2003年11月発行

短報

電気けいれん療法が奏効したPisa症候群を呈する分裂感情障害の1例

著者: 分野正貴1 柳生隆視1 入澤聡1 谷万喜子2 木下利彦1

所属機関: 1関西医科大学精神神経科学教室 2関西鍼灸短期大学神経病研究センター

ページ範囲:P.1215 - P.1218

文献概要

はじめに

 Pisa症候群は,薬物により惹起される持続性の姿位異常で,頚部から腰部にわたる側屈位姿勢を特徴とする病態である1)。主に傍脊柱筋のジストニア様不随意運動により,収縮側を凹として体幹が側屈する6)。その治療には,抗コリン薬やamantadineなどのさまざまな抗パーキンソン薬やビタミンEなどが試みられているが無効例が多く,むしろ抗精神病薬の中止や減量が有効といわれている6)。我々は,分裂感情障害の薬物療法中にPisa症候群を発症した症例を経験した。この不随意運動に対して,抗コリン薬の追加・増量,ビタミンEの追加や抗精神病薬の減量を試みたが変化なく,徐々に精神運動性興奮などの精神症状が顕在化した。薬物治療が困難であったため,修正型電気けいれん療法(modified electroconvulsive therapy;以下ECT)を施行したところ,精神症状の著しい改善とともにPisa症候群の軽減を認めたので,考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら