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文献概要

短報

クリニカルパスによるm-ECT施行により早期に退院した亜昏迷状態の1例

著者: 中島公博1 古根高1 千丈雅徳1 小林清樹1 林裕1 坂岡ウメ子1 田中稜一1

所属機関: 1五稜会病院

ページ範囲:P.1227 - P.1230

はじめに

 クリニカルパスは,経営工学の製造工程管理法を医療界において臨床的に応用されたものである。パスの基本形は疾病や診療別に状態の経過やさまざまな治療タスクを同一のフォーマットで時系列に並べたもので,関係するスタッフが治療経過を把握しやすくなっている1)。内科,外科系の臨床では広く利用されており,2002年の日本クリニカルパス学会もすでに4回の開催を数える。クリニカルパスは在院日数の短縮,経費削減などのメリットがあるとされる。

 しかし,精神科の治療においては疾患の性質上,時系列に予想された通りに経過することは少なく,クリニカルパスをそのまま使用することは非常に困難なことが多い3)。それでもクリニカルパスを使用し,精神科医療の中でも標準化された治療を行うことが有用なこともあると思われる。

 今回,クリニカルパスによるmodified electroconvulsive therapy(m-ECT:無けいれん頭部通電療法)を施行することにより,早期に退院に至った亜昏迷状態の症例を経験したので報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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