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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻12号

2003年12月発行

文献概要

特集 統合失調症と認知機能―最近の話題

統合失調症と記憶

著者: 松井三枝1

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部心理学教室

ページ範囲:P.1254 - P.1262

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はじめに

 神経心理学的アプローチは歴史的には器質性脳疾患の高次脳機能障害を明らかにするために発展してきた。近年,脳画像技術の進展とともに,統合失調症でも神経心理学的機能障害に着目されるようになってきた。統合失調症ではひとつの粗大な障害というよりいくつかの微細な障害ないしは障害の組み合わせが観察されることが多いため,より客観的な神経心理学的評価が重要となる。統合失調症への神経心理学的アプローチは標準化された検査を組み合わせて用いつつ,ひとつの分野として定着してきている。さらに,統合失調症に特徴的と思われる認知・行動障害を実験神経心理学的観点から分析したり,神経心理学的所見と脳画像所見との関連を検討したり,認知課題施行中の脳機能画像を吟味することによって,統合失調症における認知機能障害が報告されてきた。ここでは,統合失調症の神経心理学的アプローチとこれまで多くの研究によって明らかにされてきた統合失調症患者の認知障害の特徴について概観する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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