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広汎性発達障害(PDD)と注意欠陥/多動性障害(AD/HD)における人物画描画能力の比較
著者: 志水かおる1 長田洋和2 中野知子3 渡辺友香4 栗田広4
所属機関: 1信州大学大学院医学研究科精神医学教室 2専修大学法学部 3大泉学園町福祉園 4東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野
ページ範囲:P.1305 - P.1311
文献購入ページに移動広汎性発達障害〔PDD:自閉性障害(AD),アスペルガー障害(AS),特定不能の広汎性発達障害(PDDNOS)〕,精神遅滞(MR)および注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の子ども344人を対象に,人物画知能検査(DAM)の描画能力と田中ビネー知能検査による知能の差異を検討した。描画能力は年齢および一般知能と相関があり,ASを除くPDDとMRは相対的な描画能力が高く,AD/HDおよび高機能(IQ70以上)PDD群では低く,特にASとAD/HDに類似性を認めた。発達障害児において,DAMは多面的能力を反映し,学齢期以降の広義の学習障害を示唆しうる検査であり,療育での活用と評価法の開発が期待される。
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