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研究と報告
ブロモクリプチンにより臨床症状の改善と前頭葉の脳血流増加を認めた進行麻痺の1例
著者: 宗像奈織野1 宍倉久里江2 岩本邦弘1 三村將2 上島国利2
所属機関: 1静岡赤十字病院内科 2昭和大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.1313 - P.1318
文献購入ページに移動著明な精神症状を呈し,髄液梅毒反応が陽性で進行麻痺と診断されたが,ペニシリン大量投与後にも臨床症状に改善がみられなかった症例に,脳機能賦活を目的にブロモクリプチンを投与した。ブロモクリプチン投与前には,記憶障害とともに,人格変化・判断力低下・発動性低下・緘黙などの前頭葉関連障害と,それに伴う問題行動が顕著であったが,ブロモクリプチン投与後には発動性・発語が増え,目的を持った活動も行えるようになった。しかし問題行動には大きな変化を認めなかった。臨床症状の改善と並行して,SPECTでは前頭葉の脳血流増加が認められた。ドパミンアゴニストであるブロモクリプチンが発話・行動面での活性化につながったと推測された。
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