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研究と報告
軽度脳萎縮を呈した4症例における抑うつおよび妄想の特徴について
著者: 川島立子1 大沼徹1 酒井佳永1 角藤比呂志1 新井平伊1
所属機関: 1順天堂大学医学部付属順天堂越谷病院精神医学教室
ページ範囲:P.1323 - P.1328
文献購入ページに移動抑うつや被害関係妄想を呈し,明らかな一次性,二次性の疾患は特定できないが,脳器質性障害の関与が疑われた4症例を経験した。これらは,初診時には「精神病症状を伴う重症うつ病エピソード」と診断されたものの,頭部CT上の脳萎縮所見,臨床症状およびその経過が特徴的であった。そのため,これらと他の抑うつや妄想を呈する病態との臨床的特徴とWAIS-Rを比較検討した結果,これら4症例では神経心理学的に脳器質的障害に基づく認知パターンの変化のために,日常の出来事を短絡的,妄想的に解釈し,容易に抑うつや被害関係妄想を繰り返している可能性が示唆された。
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