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研究と報告

高機能広汎性発達障害と注意欠陥/多動性障害の知的能力と自閉症状からみた異同

著者: 大塚麻揚1 立森久照2 長田洋和3 瀬戸屋雄太郎3 中野知子4 栗田広3

所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部 2国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画 3東京大学大学院医学系研究科 4練馬区立心身障害者福祉センター

ページ範囲:P.175 - P.181

抄録

 高機能(IQ70以上)広汎性発達障害(HPDD)55人(平均=4.8歳,SD=1.4)と注意欠陥/多動性障害(AD/HD)18人(平均=5.0歳,SD=1.2)を全訂版田中ビネー知能検査(田中ビネー)と小児自閉症評定尺度東京版(CARS-TV)で比較した。田中ビネーではHPDD群はAD/HD群よりIQと54問中の意味理解関連2問の通過率が有意に低かった。CARS-TVでは,HPDD群は総得点と15項目中12項目の得点がAD/HD群より有意に高かったが,総得点については,両群の大半のもの(HPDD群は82%のもの,AD/HD群は全員)が非自閉的水準にあった。両群は,一見非自閉的だが,個別自閉症状と意味理解困難性に注目すれば,それらのより著明なHPDD児をAD/HD児から早期に鑑別できる可能性がある。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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