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短報
Olanzapineが奏効した躁病の1症例
著者: 都甲崇12 井関栄三2 加瀬昭彦1 内門大丈2 勝瀬大海2 小阪憲司2
所属機関: 1横浜舞岡病院 2横浜市立大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.183 - P.186
文献購入ページに移動Olanzapineは,ドパミンD2受容体拮抗作用に加えて,強力なセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用を含むさまざまな受容体への作用を有することから,定型抗精神病薬と比較して,幅広い臨床症状に対する効果を示す。米国では,olanzapineは,まず統合失調症治療薬として1996年にFDAに承認されたが,その後の臨床試験によって躁病に対する効果も確認され,双極I型障害における急性躁病の治療薬としても2000年に承認された。しかし,わが国では,保険適用上の問題もあり,我々が知るかぎり,躁病に対してolanzapineが有効であったとする報告はない。今回我々は,双極I型障害の躁病に対してlithiumのみでは十分な効果が得られず,他の抗躁作用を有する薬剤の使用が困難であったためにolanzapineを追加し,奏効した1症例を経験したので報告し,さらに躁病に対するolanzapineの効果について文献的考察を加えた。
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