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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻2号

2003年02月発行

試論

抗うつ薬の増強法(augmentation)としてmethylphenidateは妥当か―薬理学的問題点と診療上の疑義について

著者: 佐藤裕史1 鈴木卓也1 一瀬邦弘2

所属機関: 1日本大学医学部精神神経科学教室 2都立豊島病院神経科

ページ範囲:P.191 - P.199

文献概要

はじめに

 Methylphenidate(MPD)は,多動性障害やナルコレプシーだけでなく,いわゆる難治性・遷延性うつ病にも有効とされ,この目的での保険適用も1998年3月本邦で認められた。MPDは依存・乱用を形成しうるので投与の適否は厳しく問われるべきであるが,抑うつ状態の鑑別や抗うつ薬の投与が不十分なままでMPDの併用される症例が散見され,適応や投与法についての明瞭な見解もない。

 そこで,抑うつ状態に対するMPDの有効性,ならびにMPDの依存・嗜癖形成に関する文献を総覧し,MPDを投与された遷延性うつ病例を検討して,抗うつ薬に対する増強法augmentationとしてのMPD投与を批判し,併せて,安易なMPD投与の背景にある問題を指摘する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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