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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻3号

2003年03月発行

特集 ひきこもりの病理と診断・治療

ひきこもりを考える

著者: 清水將之1

所属機関: 1関西国際大学人間学部

ページ範囲:P.230 - P.234

文献概要

問題のはじまり

 社会的なひきこもりが関心を集めるようになった。短い期間でのことである2,3,5)。世間との交流を絶つ日常生活のありようが精神医学の関心事になったのは,P. Pinel以降の近現代精神科医療が統合失調症の慢性形態と付き合うようになってからであろうか。軽症化や治療の進歩や社会復帰の促進があってなお,少数ながらもこれは精神科医療にとって重い宿題であり続けている。

 1960年代の後半には,登校せず自宅に巣籠もりする子どもたちが児童精神科医の視野に入り始めた。これは精神科医療における新たなwithdrawalであった。具体的に関与している人たちによれば,いま関心を集めているひきこもりは1970年代から増加し始めた現象であるという。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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