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特集 ひきこもりの病理と診断・治療
―ひきこもり状態を示す精神障害―分裂病型人格障害と分裂病質
著者: 狩野力八郎1
所属機関: 1東京国際大学大学院臨床心理学研究科
ページ範囲:P.259 - P.262
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ひきこもりを示す精神障害を鑑別と対策という視点から考える場合,鑑別診断をしてから対策を考えるという医学的な方法だけでなく,取りうるさまざまな次元での治療アプローチを試みながら多元的に見立てをするという力動的な方法が不可欠である5)。医療の分野に限ってみても,個人・家族・集団(入院も含む)という各次元からの異なった対策を考慮すべきである。この意味で,本項では最初に分裂病型人格障害と分裂病質に共通する力動的特徴を簡潔に述べ,次に二つの症例を提示し,考察を加えたい。
ひきこもりを示す精神障害を鑑別と対策という視点から考える場合,鑑別診断をしてから対策を考えるという医学的な方法だけでなく,取りうるさまざまな次元での治療アプローチを試みながら多元的に見立てをするという力動的な方法が不可欠である5)。医療の分野に限ってみても,個人・家族・集団(入院も含む)という各次元からの異なった対策を考慮すべきである。この意味で,本項では最初に分裂病型人格障害と分裂病質に共通する力動的特徴を簡潔に述べ,次に二つの症例を提示し,考察を加えたい。
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