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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻3号

2003年03月発行

文献概要

研究と報告

探索眼球運動を用いた統合失調症患者における正円図の反復刺激の影響―健常者との比較検討

著者: 森田喜一郎1 河村直樹1 小路純央1 平井聡1 上野雄文1 森圭一郎1 前田久雄1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.303 - P.309

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抄録 統合失調症患者30名(入院群18名,通院群12名)と健常者30名を対象に,簡単な7枚の正円図版を繰り返し見せ探索眼球運動を比較検討した。反復刺激により健常群では平均停留時間は有意に延長し,停留点総数,総移動距離は有意に減少・短縮したが,統合失調症群では3要素ともに有意な変化はなかった。一方,初回提示図版の3要素値を100%としてその後の変動率を比較した結果,平均停留時間,総移動距離では両群とも変動率に有意な短縮が認められたが,停留点総数は健常群のみ有意な減少がみられた。以上より,単純正円図版反復刺激による探索眼球運動の研究は「慣れ」現象の生理学的指標になりうることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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