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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 新医師臨床研修制度の課題―求められる医師像と精神科卒後教育の役割

精神科研修の基本と指導医のありかた

著者: 佐藤光源1

所属機関: 1東北福祉大学大学院精神医学講座

ページ範囲:P.363 - P.369

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はじめに

 2004年度に始まる新医師臨床研修制度で,初年度は基本研修科目(内科,外科,麻酔科を含む救急部門)を研修し,2年目に必修科目(精神科,小児科,産婦人科,地域保健・医療)を各1~3か月間研修するプログラムが実施される見通しである。その基本研修事項に精神科が入ったことは,医学全体における精神医学の重要性が適切に認識されたものとして一定の評価を得ている。精神科研修の実施は2005年度からであるが,その5年後の見直しで精神科を必修科目にしたことの真価が問われる。すべての新医師が有意義な精神科研修をするためには優れた内容の研修プログラムと研修の場,そして何よりも有能な指導医が必要である。そうした矢先の昨年8月,日本精神神経学会は精神科専門医の認定制度を採用することを決め,準備委員会を設置して具体的な作業に入っている。

 この研修制度が始まる時の新医師,指導医,研修施設の状況を想定してみると,財政面,指導体制に必要なマンパワーの確保,単独型臨床研修病院と臨床研修病院の指定基準,病院群間の協力システムなどこの2年間に解決しなければならない問題が山積している。そのうち,精神科研修プログラムの基本と指導医のありかたを取り上げるのが私に与えられたテーマなので,この点に焦点を絞ってみたい。はじめに東北大学における精神医学卒前教育の現状を紹介するが,それは現行の精神医学の卒前教育内容を抜きにして新医師臨床研修プログラムの基本は語れないし,卒前臨床研修と大差ない卒後研修プランを繰り返したのでは新医師にとっては無意味に等しいからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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