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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 新医師臨床研修制度の課題―求められる医師像と精神科卒後教育の役割

単科精神病院の立場から

著者: 澁谷治男1

所属機関: 1国立療養所南花巻病院

ページ範囲:P.399 - P.401

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 2004年度からの新医師臨床研修制度において,内科,外科および救急部門,小児科,産婦人科,地域保健・医療と共に精神科が研修必修科に選定されました。新研修制度では「プライマリケアへの理解を深め,患者を全人的に診ることのできる診療能力を身につけ,医師としての人格を涵養すること」を基本的なあり方としています。それゆえ,精神科が必修科目に入ったことは当然といえば当然であり,これまで精神科が臨床の中で特殊な診療科と見られがちであったこと自体が不自然でした。精神障害者や精神医療が,とりわけ医療人から偏見の目で見られがちだったことを考えると大きな転換であり,精神医療に携わる者として大変喜ばしいことと考えます。今後,すべての臨床医が精神科研修を経験することによって,精神科への理解を深め精神障害者に対する偏見の解消につながることを期待します。同時に,いまだ未熟と思える精神医療の質的な向上にも結びつくことを期待します。

 私は単科精神病院の立場から,研修医ではなく単科精神病院に働く人たちに向けて意見を述べてみたいと思います。単科精神病院は管理型臨床研修病院である大学病院あるいは総合病院と組んで研修病院群を形成して研修医を受け入れることになります。その際「医師の数は医療法上の定員を満たしていること」という具体的なハードルはありますが,精神科研修を引き受けるにあたっては,ほかにも多くのことが単科精神病院には求められていると考えます。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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