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研究と報告
m-ECT後も持続する脳波変化について
著者: 森田幸孝12 濱村貴史1 佐藤俊樹1 片岡丈子1 黒田重利1
所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科精神神経病態学教室 2公立上下湯ヶ丘病院
ページ範囲:P.413 - P.420
文献購入ページに移動筆者らは3例の修正型電気けいれん療法(modified-electroconvulsive therapy:m-ECT)を行い,その脳波変化を継続的に観察した。症例1ではm-ECTを2クール(計11回)施行後より発作後錯乱が1週間持続し,それに伴って脳波の徐波化がみられた。症例2では計23回のm-ECTを施行したが,最終m-ECTの2か月後に棘波と徐波化を認めた。その後,継続的な脳波の観察を行っているが,最終m-ECTより5か月経過後の脳波にも徐波化は継続して認められていた。症例3では1クール(計5回)のm-ECTを施行したが,最終m-ECTの5か月後にも徐波化は持続して認められた。
m-ECTの副作用に関して,脳波異常は一過性とする報告が多いが,長期持続するものもあるため,高齢者やm-ECT施行回数の多い例では,繰り返し脳波検査を行う必要があると思われた。
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