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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻4号

2003年04月発行

短報

クエチアピンが有用であった薬剤性精神病を伴うパーキンソン病の1例

著者: 石田康1 鈴木康義1 長町茂樹2 三山吉夫1

所属機関: 1宮崎医科大学精神医学講座 2宮崎医科大学放射線医学講座

ページ範囲:P.421 - P.424

文献概要

はじめに

 抗コリン薬やドーパミン作働薬などの抗パーキンソン剤投与を受けているパーキンソン病患者の多くに精神病症状が観察される1,14)。このような患者の精神症状を軽減する目的で,服用中の抗パーキンソン剤の減量とともに,抗精神病薬の投与が試みられるが,錐体外路症状や過鎮静などの副作用の面で限界がある。近年使用可能となった非定型抗精神病薬の多くは,その薬理作用上の特徴から10),前記した問題に対する有用性が期待できる2,3,13)

 今回の報告は,ドーパミン作働薬により誘発されたものと思われる薬剤性精神病のパーキンソン病患者に,非定型抗精神病薬のひとつであるクエチアピンを投与することにより,日常生活動作(Activity of Daily Life;ADL)の低下を来すことなく幻覚・妄想・精神運動興奮などの精神症状が寛解に至った1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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