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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻6号

2003年06月発行

文献概要

特集 統合失調症とは何か―Schizophrenia概念の変遷

特集にあたって―疾患概念,医療,処遇の変化と呼称変更

著者: 佐藤光源1

所属機関: 1東北福祉大学大学院精神医学講座

ページ範囲:P.572 - P.574

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 日本精神神経学会(JSPN)は2002年8月の総会で,1937年に採用した精神分裂病という病名を統合失調症に変更した。これを受けて,厚生労働省は精神保健福祉法にかかわるすべての公的文書や診療報酬のレセプト病名に「統合失調症」を使用することを認め,ただちに全国都道府県・政令指定都市にその旨を通知した。すでにメディアや出版業界など多くの領域で「統合失調症」に改められており,関連学会でも使用されている。

 今回の病名変更は,1993年に全国精神障害者家族会連合会(全家連)がJSPNに提出した要望がそのきっかけになった。「精神が分裂する病気」という語感があまりにも人格否定的で,本人に告げにくいから変えてほしいというものであったが,精神科医の側にも,精神分裂病という病名を患者に告げにくく,休職や休学などの診断書や各種証明書に精神分裂病と書きにくい事情があった。それは精神分裂病という病名にスティグマがあり,この病名を診断書や証明書に書くと患者や家族が社会的不利を受ける可能性があることを精神科医自身が知っていたからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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