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特集 統合失調症とは何か―Schizophrenia概念の変遷
精神生理学から見た統合失調症の発症脆弱性
著者: 小島卓也1 髙橋栄1 福良洋一1 大久保起延1 大久保博美1
所属機関: 1日本大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.589 - P.594
文献購入ページに移動本邦においては2002年に精神分裂病という名称が統合失調症に変わり,この数年,非定型抗精神病薬が臨床使用できるようになり,schizophreniaに対する印象が少しずつ変化しつつあるように思う。しかしschizophrenia概念については,躁うつ病と並んで内因性精神病とされ,外的要因なしに発症し,何らかの身体的基盤が推測され,成因として遺伝的要因とともに環境的要因も考えられる精神病とされている。この内因性精神病としての統合失調症の概念は昔も今も変わっていない。ただしこれらの考え方の基盤が生物学的知見によって実態的なものとして把握可能になった点が大きな進歩である。精神生理学からみた発症脆弱性をこのような視点から検討してみたい。
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