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特集 統合失調症とは何か―Schizophrenia概念の変遷
薬物療法の変遷から見た今日のSchizophrenia概念―抗精神病薬は統合失調症の患者に何をもたらしたか
著者: 田亮介1 杉山暢宏2 神庭重信2
所属機関: 1慶應義塾大学大学院医学研究科 2山梨大学大学院医学工学総合研究部精神神経科学
ページ範囲:P.595 - P.604
文献購入ページに移動統合失調症の治療に薬物療法が導入されて半世紀以上が経つが,幻覚妄想は劇的に軽減しうる症状と評価されるようになった。それと共に疾病そのものに対する世間の認識も徐々に変化し,薬物療法の治療効果が日本における精神分裂病から統合失調症への名称変更への一翼を担ったといっても過言ではないだろう。
本稿では,抗精神病薬が統合失調症に対してどのような効果を有し,結果として患者の生活にどのような影響を与えたか,さらには病態解明の研究の歴史を振り返り,次世代の薬物療法や統合失調症における薬物療法の位置付けを考える機会にしたいと思う。
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