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研究と報告
精神障害者家族の心理と行動―精神障害者家族意識調査の結果から(第3報)
著者: 畑哲信1 阿蘇ゆう1 金子元久1
所属機関: 1福島県精神保健福祉センター
ページ範囲:P.627 - P.636
文献購入ページに移動精神障害者家族の心理とそれにかかわる要因を評価した。福島県精神障害者家族会連合会に所属する精神障害者家族1,573名を対象としたアンケートを行い,回答者1,313名のうち患者が入院中または通院中の者,1,238名について解析した。入院群では通院群に比べて家族のQOLが有意に低く(t=-2.72 p=0.007),生活困難度が有意に高かった(t=5.74 p<0.0001)。QOLには生活困難度および世帯収入(年収)が有意に寄与し(p<0.0001),重回帰分析の結果,生活困難度平均点(フルスケール=2点)が1点重いと,世帯収入が800万円少ないのと同等な影響を家族のQOLに与えることが示された。生活困難度の高さは障害について学ぶ家族の行動に関連したが,入院群では,患者が平等に生活すべきだという意識の低さ,患者との別居などの要因がマイナスに寄与し,その結果,障害について学ぶ家族の行動が少なかった。
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