文献詳細
研究と報告
うつ病に対するパルス波治療器を用いた電気けいれん療法の経験
著者: 泉本雄司1 片岡賢一1 山下幸一2 掛田恭子1 尾原輝美3 藤田博一4 上村直人1 下寺信次1 氏原久充5 井上新平1
所属機関: 1高知医科大学神経精神病態医学教室 2高知医科大学麻酔・救急・災害医学 3医療法人同仁会同仁病院 4医療法人南江会一陽病院 5医療法人みずき会芸西病院
ページ範囲:P.647 - P.653
文献概要
パルス波治療器を用いた修正型電気けいれん療法をうつ病の6症例に行った。投与電気量は年齢の半分のパーセントエネルギーより開始し,発作の有無により5%ずつエネルギーを増減させて発作閾値を決定した。結果,発作を起こすのに要した電気量は150.4mCから253.5mCで平均190.54mCであった。6例中4例が寛解状態まで改善し,1例は刺激用量を最大に設定してもけいれん発作を誘発できなかったためサイン波治療器に切り替えて軽快した。1例は改善がみられなかった。副作用は一過性の健忘を1例に認めたのみであった。今回の結果より,パルス波治療器を用いたmECTは有効性と安全性が高いことが示唆された。
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