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書評
―BJ Sadock,VA Sadock著/神庭重信,山田和男,八木剛平監訳―カプラン精神科薬物ハンドブック第3版―エビデンスに基づく向精神薬療法
著者: 樋口輝彦1
所属機関: 1国立精神・神経センター国府台病院
ページ範囲:P.673 - P.673
文献購入ページに移動 カプランの精神科薬物ハンドブックは,第2版が1997年に翻訳され出版された(原著は1996年)。今回の第3版(Kaplan & Sadock's Pocket Handbook of Psychiatric Drug Treatment, 3rd Edition)は,原著が2001年に出版され,翻訳は2003年2月に出版され,装いを新たにした。精神科の薬物に関する書籍は数多いが,このハンドブックは,カテゴリー別に,(1)薬物の名称と分子構造,(2)剤型と投与量,(3)薬物動態と薬物力動を含む薬理学的作用,(4)適応と臨床応用,(5)小児,高齢者への使用,(6)有害作用およびアレルギー反応,(7)薬物相互作用が解説されているのが特徴である。
序文の中で本書の使用法が述べられているが,カテゴリー別の章立て以外に表Aとして個別の薬剤名とそれがどの章で扱われているかが一覧になっているので,これをもとに検索が可能である。また,主要な精神疾患を取り上げて,それに用いる薬剤とその薬剤を扱っている章(ページ)が明記された表Bが添付されており,病名からの検索もできる。この2つの工夫によって,このハンドブックは,薬のカテゴリーから入ることも,個々の薬剤から入ることも,はたまた疾患の治療から入ることも可能になっている。第2版と比べて大きく改訂された点は,(1)精神薬理学原理の章が全面的に書き変えられ,特に代謝のところでP-450関連の記載が充実したこと,小児および青年期と高齢患者に対する向精神薬の使い方,有害作用に関する記載が詳細になり,多くの表が追加されたこと,(2)新たなカテゴリーとしてα2アドレナリン受容体作動薬,コリンエステラーゼ阻害薬,ミルタザピン,オルリスタット,レボキセチン,非定型抗精神病薬,シブトラミン,シルデナフィル,薬物増強療法,向精神作用を持つハーブなどが加えられたことである。
序文の中で本書の使用法が述べられているが,カテゴリー別の章立て以外に表Aとして個別の薬剤名とそれがどの章で扱われているかが一覧になっているので,これをもとに検索が可能である。また,主要な精神疾患を取り上げて,それに用いる薬剤とその薬剤を扱っている章(ページ)が明記された表Bが添付されており,病名からの検索もできる。この2つの工夫によって,このハンドブックは,薬のカテゴリーから入ることも,個々の薬剤から入ることも,はたまた疾患の治療から入ることも可能になっている。第2版と比べて大きく改訂された点は,(1)精神薬理学原理の章が全面的に書き変えられ,特に代謝のところでP-450関連の記載が充実したこと,小児および青年期と高齢患者に対する向精神薬の使い方,有害作用に関する記載が詳細になり,多くの表が追加されたこと,(2)新たなカテゴリーとしてα2アドレナリン受容体作動薬,コリンエステラーゼ阻害薬,ミルタザピン,オルリスタット,レボキセチン,非定型抗精神病薬,シブトラミン,シルデナフィル,薬物増強療法,向精神作用を持つハーブなどが加えられたことである。
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