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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻7号

2003年07月発行

文献概要

研究と報告

職域のうつ病発見および介入における質問紙法の有用性検討―Two-question case-finding instrumentとBeck Depression Inventoryを用いて

著者: 鈴木竜世1 野畑綾子1 金直淑1 羽根由紀奈1 成田智拓1 岩田仲生1 小野雄一郎2 尾崎紀夫1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部精神医学教室 2藤田保健衛生大学医学部公衆衛生学

ページ範囲:P.699 - P.708

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抄録

 職域で生じるうつ病を早期発見するため,自己記入式質問紙法である二質問法とBDIのうつ病スクリーニング方法としての妥当性検討を構造化面接法であるMINIを至適基準として行い,質問紙法を用いた実際の介入を職域で試みた。

 対象:精神科受診大うつ病性障害患者と勤労者。結果:①妥当性検討:患者群では二質問法の感度はカットオフ値(CO)を1点とすると99%,2点とすると87.9%,BDIの感度はCOが10~14点の間で80%以上であった。勤労者対照群では二質問法の大うつ病性障害に対する感度はCOが1,2点ともに100%,BDIでは,COは10~18点で感度50%であった。②職域での介入:二質問法で2点あるいはBDIで10点以上の職員を選び,MINIを用いた二次面接を実施し,大うつ病患者5名を同定した。そのうちBDIで高得点であった2名は産業保健士の面談を経た後,精神科医が面接し,受診・休務から復職へつなげた。考察:職域におけるうつ病の一次スクリーニングとして,二質問法とBDIが妥当である。ただし,早期発見・早期介入の実現には,職域のメンタルヘルス教育および体制の確立が重要と考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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