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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻7号

2003年07月発行

研究と報告

治験広告によって来院した社会不安障害例

著者: 永田利彦1 宮脇大1 大嶋淳1 和田彰1 山田恒1 池谷俊哉1 切池信夫1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学

ページ範囲:P.709 - P.714

文献概要

抄録

 最近,社会不安障害の治験参加を呼びかける新聞広告がなされ,多数の応募者があった。そこで,新聞広告に応募した患者群(広告群)と広告とは関係なしに受診した患者(非広告群)の臨床病像を比較検討してみた。対象は,広告群13例と非広告群49例で,患者背景,Liebowitz Social Anxiety Scale(LSAS),Social Phobia Scale(SPS),Social Interaction Anxiety Scale(SIAS),Beck Depression Inventory(BDI),State-trait Anxiety Inventory(STAI),Global Assessment of Function(GAF)などにみられる臨床症状の特徴を比較した。その結果,広告群と非広告群は全般型の率,LSAS,SIAS,SPS得点といった社会不安障害の症状において差を認めなかった。しかし,広告群は有意に高年齢で大卒の既婚男性が多く,働いており,社会機能(GAF)が高く,対人恐怖症が少なく,STAI,BDI得点が低い傾向を示した。これらの結果に若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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