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研究と報告
適応障害患者におけるストレス対処行動特性の検討―健康群との比較
著者: 大平泰子1 數川悟1 引網純一1
所属機関: 1富山県心の健康センター
ページ範囲:P.715 - P.721
文献購入ページに移動ストレスドック受検者を対象に,適応障害と診断された21名と健康と判定された21名について,精神健康尺度The General Health Questionnaire60項目版(GHQ60)およびラザルス式Stress Coping Inventory(SCI)により,精神健康度とストレス対処に関する比較検討を行った。精神健康尺度は,GHQスコアおよび身体的症状,不安と不眠,社会的活動障害,うつ傾向という4つの下位尺度のいずれにおいても,適応障害群は健康群より有意に高かった。ストレス対処については,適応障害群では健康群に比べて計画型,肯定評価型が有意に低く,逃避型は有意に高かった。また,適応障害群では,責任受容型,自己コントロール型の利用度が高いほど社会的活動障害得点が低いという相関を示した。適応障害の予防や治療について,ストレス対処機構を高めるような認知行動療法的方法が有効と考えられた。
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