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文献概要

研究と報告

統合失調症患者に対するエンパワーメントスケールの適用

著者: 畑哲信1 前田恵子2 辻井和男2 浅井久栄2 秋山直子1 金子元久1

所属機関: 1福島県精神保健福祉センター 2東京大学医学部附属病院精神科デイホスピタル

ページ範囲:P.733 - P.740

抄録

 Rogersらによって作成されたエンパワーメントスケールの日本語訳を作成し,統合失調症患者に適用した。エンパワーメント合計点については,ほぼ良好な再テスト法妥当性(r=0.85 p<0.001),内的整合性(Cronbachα=0.79),基準関連妥当性(WHO-QOL尺度合計点とのPearson相関係数r=0.71 p<0.0001)を示しており,適用可能であると考えられるが,一部のエンパワーメント因子で,再テスト法信頼性係数の低さ,合計点との間の相関の低さが認められた。BPRSを用いて評価した精神症状との間には,一部で負または正の相関が認められたが,値は低く,エンパワーメント得点はおおむね精神症状から独立していると考えられた。日本における精神障害者自立生活支援におけるエンパワーメントスケールの有用性について考察した。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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