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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

Paroxetine離脱症候群を呈した5例

著者: 加藤忠史12 福田倫明2 工藤耕太郎3 中嶋義文4 神庭重信3 加藤進昌2

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チーム 2東京大学医学部附属病院精神神経科 3山梨大学医学部精神神経科学講座 4三井記念病院神経科

ページ範囲:P.743 - P.747

抄録

 Paroxetineの中止または減量に伴い,離脱症候群を呈した5症例について報告した。症例1,2では,焦燥,衝動性,希死念慮などを伴う重篤な精神症状がみられた。症例3,4,5では,全身の電撃感などの知覚過敏が主であった。いずれも再投薬により早期に改善した。10mgずつの減量(症例1,3,5),他剤への置換(症例1,3)でも出現した。一度生じた症例では,再減量時に再び出現する傾向があった(症例1,3,5)。自己中断や身体科入院により中断した例もあり,paroxetineの離脱症候群については,精神科医のみならず一般医および患者にも注意を喚起する必要があると思われた。最小量の10mgずつの減量でも出現しうることから,離脱症候群を生じさせない減量法について,今後検討の必要があると思われた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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