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研究と報告
WISC-IIIによる高機能広汎性発達障害と注意欠陥/多動性障害の認知プロフィールの比較
著者: 小山智典1 立森久照2 長田洋和3 戸張美佳4 石田博美5 栗田広1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野 2国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部 3専修大学法学部 4練馬区立心身障害者福祉センター 5川崎市中部地域療育センター
ページ範囲:P.809 - P.815
文献購入ページに移動高機能(IQ70以上)広汎性発達障害(HPDD)と注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の認知プロフィールの異同を検討するため,HPDD群39人とAD/HD群20人をWISC-IIIで比較した。言語性IQではAD/HD群がHPDD群よりも高い傾向があった。群指数の言語理解ではAD/HD群がHPDD群よりも有意に高かった。下位検査の単語ではAD/HD群がHPDD群よりも有意に高く,積木模様ではHPDD群がAD/HD群よりも有意に高かった。AD/HD群は言語性IQが動作性IQよりも有意に高かった。HPDD群は下位検査評価点間に有意差があった。本研究の知見は,両者の鑑別や療育課題選定に有用と考えられる。
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