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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻8号

2003年08月発行

文献概要

研究と報告

統合失調症患者における既視体験の予備的検討

著者: 足立卓也1 足立直人2 武川吉和3 赤沼のぞみ4 木村通宏1 新井平伊1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2足立医院 3平塚共済病院心身医療科 4ロンドン大学キングスカレッジ病院

ページ範囲:P.835 - P.839

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抄録

 これまで統合失調症患者において,既視感の出現頻度が高いものと想定されていたが,実証的な検討は少なかった。本研究では統合失調症患者(ICD-10)40例における既視感の出現頻度と特徴について,110例の健康成人を対照に,既視感質問紙(Sno)を用いて予備的検討を行った。

 統合失調症群では,既視感の出現率・出現頻度とも対照群に比べ有意に低頻度であった。さらに対照群での出現頻度は,年齢が高いほど低く,学歴が高いほど高い傾向があったが,統合失調症群では年齢や学歴との関連は認めなかった。また両群の既視感経験者において,出現様態や性質に著しい相違はなかった。ただし,統合失調症群では,わずかながら心身の不快な状態で生じた。

 本研究では,統合失調症患者では既視感出現頻度が低いが,既視感の質的差異は少ないことが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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