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―アルコール・薬物関連障害の診断・治療研究会(白倉克之,樋口進,和田清)編―アルコール・薬物関連障害の診断・治療ガイドライン フリーアクセス
著者: 福居顯二1
所属機関: 1京都府立医科大学大学院精神機能病態学
ページ範囲:P.906 - P.906
文献購入ページに移動近年日本で用いられているアルコール・薬物依存症の診断基準は,施設や臨床の経験年数などによりさまざまである。比較的若い世代はICD-10,DSM-Ⅳをもっぱら使い,さらに最近ではAPA(米国精神医学会)治療ガイドラインシリーズを監訳した「物質使用障害―アルコール,コカインとオピオイド」も参考にされる。これにより米国の現状は理解できるが,副題にもあるようにアルコール以外にはコカイン,オピオイドに関する記載のみである。日本の薬物依存情報研究班の調査でも明らかなように,わが国で治療の上位を占める覚せい剤,有機溶剤,抗不安薬については触れていない。また比較的臨床経験の長い医師はICD,DSMなどの操作的診断以外に以前からある「アルコール精神疾患の診断基準;厚生省アルコール中毒診断会議報告,1979」や「覚せい剤中毒者の診断基準;公衆衛生審議会,1982」を参考にする傾向もあった。
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