icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻9号

2003年09月発行

文献概要

研究と報告

神経質性不眠症に対する入院森田療法による治療経験―携帯型活動計を用いた精神生理学的検討を主として

著者: 山寺亘1 伊藤洋1 佐藤幹1 林田健一1 大渕敬太1 小曽根基裕1 中村敬1 牛島定信1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.927 - P.936

文献購入ページに移動
抄録

 神経質性不眠症(睡眠障害国際分類の精神生理性不眠症)の1症例(49歳,男性)に対して,入院森田療法を施行した。症例の呈していた睡眠に関する主観的評価と客観的評価の間の著しい解離現象は入院治療によって是正され,この効果判定には,睡眠日記や活動計などの精神生理学的指標を検討することが有用であった。森田療法的接近として有用であったのは,(1)客観的指標の測定および本人への呈示,(2)薬へのとらわれに対する不問技法,(3)不眠の裏にある生の欲望を別の言葉でイメージさせる,(4)治療を展開させるための睡眠衛生教育などの点であり,重篤な慢性不眠症患者に対しては,睡眠衛生教育にとどまらない精神療法的接近が不可欠であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?