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文献詳細

雑誌文献

精神医学45巻9号

2003年09月発行

文献概要

研究と報告

神経性無食欲症制限型患者の病型変化の検討

著者: 大森寛12 岩本泰行1 米澤治文1 西山聡1 世木田久美1 大田垣洋子1

所属機関: 1県立広島病院精神神経科 2現,国立療養所賀茂病院

ページ範囲:P.937 - P.941

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抄録

 1999年に県立広島病院精神神経科を受診し、DSM-Ⅳの摂食障害の診断基準を満たした患者のうち、神経性無食欲症制限型で発症した87例を、発症後病型変化がない群(未変化群),むちゃ喰い/排出型へ病型変化した群(AN-BP群),神経性大食症排出型へ病型変化した群(BN-P群)に分類し,どの程度病型変化したか,病型変化にどのような要因が関与しているかを検討した。病型が変化した患者は38例(44%)で,そのうちAN-BP群が11例(13%),BN-P群が27例(31%)であった。AN-BP群では,発症から医療機関受診までの罹病期間が長く,当科初診時同伴者が少なく,中断例が多くなっており,経過も不良であった。BN-P群では,病前BMIが高く,さらに発症から最低BMIまでの期間や病型変化までの期間が短く,症状の変化が大きくなっていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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