文献詳細
研究と報告
アルコール依存症における頭部外傷の検討
著者: 竹内暢13 内村直尚1 大島博治2 大島正親2 小鳥居湛4 前田久雄1
所属機関: 1久留米大学医学部神経精神医学講座 2大島病院 3横須賀市立うわまち病院 4小鳥居諫早病院
ページ範囲:P.967 - P.971
文献概要
5年間に頭部外傷を主訴に救急入院した500例中,アルコール依存症と診断された9症例(男性6人,女性3人)について検討した。これらの患者は,多量長期の飲酒歴を有し,入院直前まで飲酒していた。特に女性例は,今回の受診で初めてアルコール依存症と診断された。離脱症状は,ミアンセリン40~150mg/日投与にて症状出現2~8日後には改善を見せ,経過中の二次性抑うつ状態は1例にのみ出現した。頭蓋内病変の合併症は6症例にみられたものの,入院時のGCSと頭部画像所見の重症度の相関性は乏しく,アルコール問題を有するものには,早期の画像診断が重要であると考えられた。
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