文献詳細
書評
―Robert L. Spitzer,他著/高橋三郎,染矢俊幸訳―DSM-IV-TRケースブック―コンパクトにまとめられた症例で,精神科診断学を整理 フリーアクセス
著者: 武田雅俊1
所属機関: 1大阪大学医学系研究科/プロセシング異常疾患解析学
ページ範囲:P.1017 - P.1018
文献概要
他の診療科と比べても精神科の症例呈示は難しい。必要十分な情報をコンパクトにまとめるという課題は時として困難であり,豊富な知識と十分な経験とがあって初めて可能となる。初学者の頃,症例を呈示するときに,どこまで詳しく記載するかを悩みながら,なかなかコンパクトにまとめることができなかったことを思い出す。コンパクトにまとめるという作業は,「この部分を割愛しても大きな間違いが起こらない」との判断に基づいて行うが,このような判断を下すためには,精神科の疾患全体についての包括的な知識と,同僚の精神科医のレベルについての理解とが必要である。このような条件を満たした症例呈示のモデルが本書には多数示されている。本書を通じて,症例呈示の仕方を学ぶことができる。
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